2015年12月25日 更新
純粋にその気持ち一点で山に登ることがあります。
ただあの山に登りたい、今度はあの山に行こう、ではなく
あの景色をもう一度見たい という気持ちです。
それは必ずしも高い山、有名な山、人気のある山だけではないのです。
町に近い低山、あまり知られていない山、人の少ない山でもあるのです。
あるいは、かならずしも山頂ではないこともあるのです。
例えば、盛岡市郊外にある朝島山。
標高わずか607m。主な登山口は二つ。山頂までは1時間もかかりません。
なのに登山道は急こう配。途中ロープや休憩用ベンチなどがあったりします。
町からのアクセスも良く、整備されていて、ある意味のぼり易い山なのです。
なのに一度登ればもうリストから外れてしまうような山のようです。
休日でも登る人が少なく、あまり人気がある山ではありません。
でも私にとっては「あの景色が見たい」と思わせてくれる山です。
山頂西側には盛岡の街が一望。その向こうに岩手山から秋田駒へ続く奥羽山脈の稜線。
眼下には北上川の流れと東根山から箱ヶ森へ続く志波三山の山なみ、その奥には和賀山塊。
そして私の一番のお気に入りは、山頂東側に開けた絶景。
眼下には大ヶ生部落、そして黒森山、鬼ヶ瀬山などの里山群。
その遥か向こうに気高く鋭く、それでいてゆったりと天を突く早池峰。
それは盛岡に、いえ岩手に、いえいえ日本にいることを忘れさせる
まるでどこか異国の地をトレッキングしているような感覚にさせてくれる絶景。
朝島山の頂上にはそんな景色があります。
あの景色が見たい。
そんな気持ちにさせてくれる山は素晴らしい山だと思います。