2016年2月17日 更新
夕暮れ間近のまだ明るいうちに歩きだす。
西の空が紅く染まり、あたりは薄暮に包まれる。
やがて森は夕闇の中に沈み、遠くに街灯りが見え始める。
でもヘッドランプは灯もさない。
目が周囲の暗さに慣れてくると、森の奥まで見えるようになる。
雪が周囲を明るく映し、森が幻想的な姿で浮かび上がってくるのだ。
ヘッドランプはいらない、と感じる。
が、やはり足元はクリアではない。試しにヘッドランプを点けてみる。
足元はよく見えるようになる。が、突然周囲が真っ暗になり、森が消える。
あたりは漆黒の闇。何も見えない。足元の明るさの分だけそれは不気味な暗さを増す。
ヘッドランプを消す。
再び雪明りの中に森が浮かび上がり、周囲の様子が分かるようになる。
雪道は凹凸が少ない。足元が多少見えにくくても足を前に出せないほどではない。
道は踏み跡を辿って行けばよい。森と一つになって、灯りなしで歩こう。それが楽しい。
鞍掛山。
星が見える夜ならスターライトで。
月が出ている夜ならムーンライトで。
でも、冬の夜は雪明りだけで歩いてみたい。
雪明りに浮かぶ森の向こうに盛岡の夜景
ヘッドランプの灯りと漆黒の闇