2014年8月19日 更新
テレビの山番組の中で、ガイドや案内人が腕を組んで歩いるのを見たことがあるでしょうか。
きっと気づいている人も多いと思います。そして何故腕を組んでいるんだろう?と思っている人も。
ツアー登山に参加したことのある人やガイド登山をしたことのある人なら、ナマ?で見ていることでしょう。
別に威張っているわけではありません。
何か悩み事があるわけでもありません。
困っちゃってるわけでもありません。
ではなぜ腕を組んで歩くのでしょう?
実は腕組み歩きには、山登りをラク~にしてくれる秘密が隠されているのです。
普段歩くときは、例えば右足を前に出すと左腕が前に出ます。左足の時は右手。
でも山登りではこの動きはイケません。バランスを崩し易くなったり、疲労に繋がります。
ではどういう動きがイケてるのでしょうか。
それは例えば右肩と右足、つまり右半身が一緒に動くこと、そして左半身が一緒に動くこと。
背中の骨を軸にして、体が回転するように右半身が前に出て、次は左半身が前に出る。
そうすると、動きに無駄がなくなり余計なエネルギーを使わずにすみます。
上半身と下半身の動きが連動しますので、バランスを崩すことが少なくなります。
腕を組んで歩くことで、その動きがムリなく自然に出来るようになるのです。
普段の生活ではとてもおかしな動きになってしまいますが
登山道は傾斜や段差があり、足元が不安定ですのでこの動きがとても重要になります。
登りのときはもちろん、谷に対して体を半身にする必要のある、下りのときには特に有効です。
力を入れずに組むのがコツ。肩も肘も手首も指も力を抜いて軽~くソフトに。
腰に手を当てたり、ウェストベルトの前のバックルに手を添えたりするのも一つです。
慣れないうちは何となく違和感があるかもしれませんが、慣れてくるとゆったり登山ができるようになります。
ガイドはエラそうにしているのではありません。
ラクラク登山をしているのです。