2016年3月10日 更新
山登りに地図を持っていきましょう。初めはガイドブックのコピーなどでもかまいません。
慣れてきたり、物足りなくなったらぜひ国土地理院発行の縮尺2万5千分の1地形図(以下地形図)を。
街の大きな書店で売っていますし、ネットでも必要な山域だけダウンロードも可能です。
私がアクセスするのは「ウォッちず 国土地理院」。縮尺が複数選択できます。
地形図はそもそも登山用ではなく、日本の国土の地形が等高線と呼ばれる線で表わされたものです。
文字情報がほとんどないので、等高線の間隔や地図記号、縮尺から自分で情報を読み取って使います。
等高線の間隔が広ければ「なだらか」、狭ければ「急斜面」。等高線は10m毎ですので標高差も分かります。
凡例にある地図記号をいくつか覚えておけば、ここは針葉樹、ここは岩場などと、植生等もわかります。
縮尺が1/25000ですから、地形図上の1㎝は、実際には250mの距離。すると歩く距離が計算できます。
おおよその距離がわかれば、自分の山歩きのスタイル、体力などから自分の歩行時間が推測できます。
コースタイムや距離、花の咲く場所、展望地、トイレなどの文字情報はありませんので
「線」や「記号」、「地図の約束事」などから自分で情報を読み取っていく楽しさがあります。
何度も登っている、地図などなくても登れる山の地形図を見てみる。何度も見てみる。
地形図を、実地形を想像しながら見ることを繰り返して行くうちに、見るコツが養われていきます。
見慣れてくると、平面の地形図が3Dの立体地図となり、谷は低く山は浮かび上がって見えるようになります。
そうなると、初めて登る山でも山の様子がわかるようになり、自分に合った計画も立てられるようになります。
山を登る前に地形図で予習をし、実際の山登りで、地図と地形を照合していく。すると、
初めは線だけの殺風景に思えた地形図が、実に様々な情報が隠れていることがわかってきます。
地形図はコンパスと一緒に使いましょう、と言われます。が、
初めての人は、まずは机上に地形図を広げ、じっくり見ることが先。
地図とコンパスは難しい、と思ってしまいがちです。
ですから、初めはコンパス抜きで、地形図を見ることから始めましょう!